2017-12-31 片思いの女房 僕が初めてその子に出会ったのは小学生の夏の日だった。当初、その子は浅黒く日焼けした肌にショートヘアスタイルだったため活発的な印象くらいにしか持っていなかったが、いつしか恋心を抱くようになった。でも僕の片思いだった。 それから10年、その子は僕の女房で、活動するときはいつも一緒だ。「おっ、今のストレート良かったぞ」「もういっちょ投げるから、ちゃんと受け止めてくれよな」 僕は彼のミットをめがけてストレートを投げる。彼は女房役だがまだ片思いのままだ。