廃屋
女 「ここの廃屋入るのこわーい」
男 「大丈夫だよ。怖くないって」
女 「うわー、入ると薄気味悪いよ」
男 「大丈夫だって」
謎の声「ウゥー……」
女 「ちょっと、なんか聞こえてこない?」
男 「気のせいだよ。聞こえないよ」
謎の声「ウゥー……」
女 「やっぱりうなり声が聞こえるよ」
男 「そうかな。近所の声じゃないの」
謎の声「デテイケ……」
女 「なんか、出て行けって言ってない?」
男 「どこか近所の人が出て行けっていってるんだよ」
謎の声「コノ廃屋カラデテイケ……」
女 「ちょっと、この廃屋から出て行けって言ってない?」
男 「そう? でも俺たちに言ってるわけじゃないでしょ」
謎の声「オマエタチフタリ、コノ廃屋カラデテイケ……」
女 「ちょっとお、お前たち二人この廃屋から出て行けって言ってるよ」
男 「でもお前たちって言ったって、俺たちの事じゃないかも知れないじゃん」
謎の声「シロイシャツヲ着タ男ト、青イワンピースヲ着タ女、コノ廃屋カラデテイケ……」
女 「ちょっとお、白いシャツ着た男と青いワンピースを着た女に出て行けって言ってるよ。これ私たちのことじゃん」
男 「そうかなあ。いまどきそんな格好した奴なんてどこにでもいるよ。その辺のダサいカップルでもやってるよ」
謎の声「シロイシャツヲ着タ、イケメント、青イワンピースヲ着タ、キラキラ女子、コノ廃屋カラデテイケ……」
女 「ちょっとお、イケメンとキラキラ女子って言ってるよ。これ私たちの事じゃないの」
男 「あれ、そうかな。なんかこの廃屋、ヤバくね?」
謎の声「いいから早く出て行け!」