不思議な男
孝夫は不思議な男に出会った。
「お前の未来を教えてやろう」
「では、片思いの昌子とはどうなるのか、教えてくれ」
「一緒になるぞ」
その言葉に孝夫は心を躍らせた。それから10年、昌子とは友人ではあったが、それ以上の関係はなかった
ある日、孝夫は昌子と二人で歩いているときに、何者かにさらわれた。目を覚ますと、体中をロープでいすに巻き付けられていた。一緒にいたはずの昌子がいない。
「昌子はどうした」
「フフフ、あいつはもう死んださ。お前もあの世で一緒になりな」
そう言って、男は拳銃を孝夫に突きつける。かつて不思議な男から聞いた、一緒になるとはこういうことか、と孝夫は悟った。